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カリウム

元素記号:K 英語名:Potassium

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

19

39.0983

63.7

774

3770

 カリウムは地殻で8番目に多く存在する元素です。植物には不可欠な元素で、肥料の3大成分のひとつです(残りはリンと窒素)。木の灰には炭酸カリウムが多く含まれています。カリウム(ドイツ語のKaliumu)の語源はアラビア語の灰(Kaljan)に由来します。また、カリウムの英語名(Potassium)は、つぼ(pot)の中で木の灰(ashe)を煮詰めることで炭酸カリウムが得られたことに因んでいます。
 カリウムは化学反応が強い元素で、単独で存在することが困難な元素です。空気中では速やかに酸化されて二酸化カリウムが生成します。水とも激しく反応して、水酸化カリウムと水素ガスが発生します。純粋なカリウムを分離することに初めて成功したのはイギリスの科学者デイビーです。1807年、加熱して溶かした水酸化カリウムを電気分解することによって、純粋なカリウムを得ることが出来ました。

K2(Mg,Fe,Al)6-5(Si,Al)8O20(OH)4
黒雲母

「カリウムーアルゴン年代法」

 カリウム原子には、不安定なカリウム40(陽子19個と中性子21個を持っている)が0.0117%含まれいます。カリウム40は一定のペースでカルシウム40とアルゴン40に変化します。変化するペースは約12.5億年で半分のカリウム40が変化するペースです。また、生成するカルシウム40とアルゴン40の割合は一定(8:1)です。この様なカリウム40の性質を利用して、岩石の年代を決めることができます(カリウムーアルゴン年代法)。カルシウム40は元々大量に存在しているため、変化の検出が困難であり、年代測定に利用できません。
 カリウムーアルゴン年代法は、高濃度のカリウム(0.1%以上)が含まれている試料を対象に利用されています。岩石中の高カリウム濃度の鉱物(雲母、角閃石、長石など)を分離して、それらの鉱物に含まれているカリウムの濃度とアルゴンの濃度、そして、アルゴン40とアルゴン36の存在比を分析して、年代を求めることが出来ます。ただし、この年代は2つの条件が成り立っているとした場合の年代です。

 1.形成された時に、岩石に含まれていたアルゴン40とアルゴン36の存在比は、大気中のアルゴンの値(296)と同じであった。
 2.岩石の中で生成したアルゴン40は全て岩石中に保持されており、外部からのアルゴンの侵入はない。また、カリウムの出入りもない。

これらの条件がいつも成り立っているわけではないので、注意が必要です。

隣接元素
ナトリウム
アルゴン カリウム カルシウム
ルビジウム

  

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