ベリリウムは硬くてもろい灰色の金属です。地殻には2.6ppm(0.00026%)ほど含まれています。1797年、フランスのボークランは緑柱石(エメラルドとアクアマリンは緑柱石の一種です。)の化学分析を行い、未知の元素の化合物を発見しました。得られた化合物をなめたところ、甘い味がしたので、ギリシャ語のglukos(甘いの意)に因んで、新元素にグルシニウムと名付けました。しかし、甘い化合物は他にも多数存在するので、不適切な命名でした。現在の元素名はドイツのクラップロート(ウラン、チタン、ジルコニウム、セリウムの発見者。マンガンとテルルの命名者。)が提案した名前で、鉱物名Beryl(緑柱石の英名)に因んでいます。
ベリリウムの鉱石は緑柱石(Be3Al2Si6O18)です。ベリリウムはX線を非常によく透過するので、X線発生装置からX線をとりだす窓に利用されています。銅にベリリウムを2-4%混ぜた合金(ベリリウム青銅)は強度と粘り強さに優れており、スイッチのバネに利用されています。 |