リチウムは周期表の左端の列に位置しています。この列に並んでいる6つの元素のうち、水素以外の5元素(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)には共通する様々な特徴があり、アルカリ金属というグループ名で呼ばれています。アルカリ金属の元素は、他の元素と反応しやすく、天然では単体(一種類の元素で存在する状態)として存在しません。軟らかく、融点や沸点が低く、軽いという特徴があり、単体では銀白色の金属です。
ところで、なぜ、アルカリと呼ばれるのでしょうか。アルカリは古代アラビア人が使い始めた言葉で、植物の灰を意味していました。陸上の植物の灰には炭酸カリウムが、海藻の灰には炭酸ナトリウムが主成分として含まれています。当時は同じ物質と考えられており、どちらもアルカリと呼ばれていました。18世紀の初めまで、両者は同じ物質と考えられていました。その後、灰から抽出した物質をアルカリと呼ぶようになり、更に、抽出した物質と似た性質を示すものもアルカリと呼ばれるようになりました。現在では、狭義では、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウムなど)を、広義では、水溶液に水酸化物イオン(OH-)を生成する物質(炭酸ナトリウムやアンモニアなど)を、アルカリと呼んでいます。 |