ヘリウムは無色無臭の気体です。他の元素と化学的な反応を起こしません。宇宙では2番目に多く存在する元素ですが、地球の大気中には約0.0005%しか含まれていません。そのため、ヘリウムが最初に発見されたのは地球ではなく太陽でした。1868年8月18日にインドで皆既日食が観測された時、フランスのジャンサンとイギリスのロッキヤーは太陽コロナのスペクトル分析を行い、未知の元素によるスペクトルを、それぞれ独立に発見しました。ヘリウムと命名したのはロッキヤーで、ギリシャ語のhelios(太陽の意)に因んでいます。地球に存在するヘリウムが見つかったのは1890年です。アメリカのヒルデブランドは閃ウラン鉱(UO2)を酸処理すると反応性のないガスが発生することを発見しました。そのガスがヘリウムであることが判明したのは、さらに5年経た1895年でした。 |