ホーム

ネオン

元素記号:Ne 英語名:Neon

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

10

20.1797

-248.67

-246.05

3.44x106

 ネオンといえばネオンランプを連想される人が多いであろう。ネオンランプはガラス製の放電管にネオンガスをつめこんだもので、電極に高電圧をかけると、強く赤く光る。ネオンランプには白熱電球のようにフィラメントは存在しないので、文字や複雑な図形の形をしたネオンランプを作製することが可能である。
 ネオンは大気中では二酸化炭素に次いで5番目に多い気体である。冷却して液化した大気を分溜(気体の沸騰する温度の差を利用して気体の成分を分離すること)して、1898年にネオンは発見された。元素名はギリシャ語のneos(新しい)にちなんでいる。
 海洋島玄武岩等のマントルの石に含まれるネオンの分析結果は、地球の起源に関する重要な情報を提供している。下のコラムでは地球の材料物質と地球大気の起源についての研究を紹介しよう。

海洋島玄武岩

マントル中の太陽型のネオン
 ネオン原子に含まれている陽子の数は10個であるが、中性子の数は10個のネオン原子(ネオン20と呼ぶ)の他に、12個のもの(ネオン22と呼ぶ)が存在する。ネオン20とネオン22の存在比(ネオン20/ネオン22)は、地球の起源に関して重要な情報源となっている。
 下の表には、様々な試料の(ネオン20/ネオン22)比を掲載している。太陽は太陽中のネオンの値で、太陽風(ヘリウムを参照)の分析値である。マントル起源の石(中央海嶺玄武岩、海洋島玄武岩、ダイヤモンド、カンラン岩)に含まれているネオンの(ネオン20/ネオン22)比の分析値(9.8〜13)は、大気中のネオンの値(9.8)と太陽中のネオンの間の値(13)を示している。データーがばらついているのは、地球の内部のネオンと大気中のネオンが、マントルの石が固まる際に混じったと解釈できる。すると、地球内部のネオンは太陽に似たネオン(太陽型ネオン)であるという結論になる。隕石は地球の材料物質であるというのが定説である。もしそうなら、地球内部のネオンも、隕石のような値(8.1)になるはずである。しかし、その様な研究結果は報告されていない。つまり、少なくともネオンについては、地球の材料物質の源は太陽と同じで、隕石とは異なっていることになる。隕石を研究すれば地球の起源が解明できるという考えに、ネオンの研究は一石を投じた。
 最後に、地球大気中のネオンの(ネオン20/ネオン22)比について紹介しよう。もし、地球のネオンの源が太陽と同じであるとするならば、大気中のネオンの値は太陽の値(13.6)になるはずである。しかし、実際は9.8である。こうなった原因は、原始地球の大気が大量に失われる出来事が発生して、ネオン22に比べて軽いネオン20が選択的に失われたためと考えられている。太陽型のネオンと隕石のネオンを混ぜても、現在の大気中のネオンの値を再現できる。しかし、隕石のようなネオンを含んだ地球物質が見つかっていないので、この説は否定的である。

試料

(ネオン20/ネオン22)比
太陽

13.6
隕石

8.1
マントルの石

9.8〜13
地球大気

9.8

隣接元素
ヘリウム
フッ素 ネオン ナトリウム
アルゴン

  

Copyright (C) 1996-2007 iElement. All Rights Reserved.