フッ素は黄緑色の気体で、反応性が最も強い元素である。水の表面にフッ素ガスを送ると、水さえも薄紫色の炎をあげて燃えてしまう。古くから人類はフッ素の反応性の強さを製鉄に利用していた。鉄鉱石を融解しやすくするために、ホタル石(CaF2)と一緒に加熱していた。ホタル石は今でもフッ素の主な鉱石である。氷晶石(Na3AlF6)も鉱石として利用されている。
フッ素が1つの元素と考えられるようになったのは17世紀初頭である。フランスのアンペールは、ホタル石に極めて反応性が強い元素が含まれていると推測した。そして、ホタル石(西洋ではfluoriteと呼ばれている)にちなんで、le
fluore と名付けた。fluoriteの呼び名は、ホタル石が原料に流動性を与えることから、ラテン語の流れる(fluere)にちなんでいる。 |