塩素(Cl2)は黄緑色の不快な臭いをもつ有毒な気体である。塩素の英語名Chlorineの語源は、ギリシャ語のchloros(黄緑色)にちなむ。
初めて塩素の分離が行われたのは1774年である。軟マンガン鉱(MnO2)に塩酸を反応させて、塩素が発生した。しかし、当時は新元素ではなしに新しい化合物と考えられていた。塩素が元素と考えられるようになったのは1810年であった。
現在、塩素は食塩水を電気分解して製造されている。実験室では、塩酸と二酸化マンガンなどを反応させて塩素を得る。塩素は毒性が強いので、取り扱いには注意が要る。第1次大戦で毒ガス兵器として最初に使用されたのは塩素ガスであった。 |