古代よりマグネシウムの化合物は
magnesia alba の名称で医療に利用されていた。magnesia はトルコに存在した古代都市名で、alba
は白い粉を指す。19世紀の初頭に、magnesia alba からマグネシウムは分離された。元素名はそれにちなんでいる。
マグネシウムは銀白色の軽い金属で、アルミニウムよりも軽い。しかし、空気中では容易に燃えてしまうので、アルミニウムや亜鉛に混ぜて合金として利用されている。マグネシウムが燃焼するときには強烈な青白い光を発するので、以前は写真撮影時のフラッシュとして使用されていた。
マグネシウムは宇宙では8番目に、地殻では7番目に多い元素である。しかし、マントルでは酸素、ケイ素に次いで、3番目に多い元素である。マントルでのマグネシウムの濃度は20%にもなる。マグネシウムの大部分は、マントルの主要鉱物のカンラン石{(Mg,Fe)2SO4}中に存在する。カンラン石は美しいオリーブ色をしており、宝石名ではペリドットと呼ばれている。 |