アルミニウムの化合物であるミョウバン{KAl(SO4)2・12H2O}は古くから染色に利用されていた。元素名はミョウバン(alumen)にちなんでいる。alumen
の語源は染色に光沢(lumen)を与える物質を意味する。アルミニウムは電気の塊と呼ばれるように、今日でもアルミニウムの精錬には大量の電力が必要ある。アルミニウムの分離に成功した19世紀の前半では金よりも貴重な金属であった。1855年のパリ万博でアルミニウムの塊が展示されたぐらいである。
アルミニウムは貴重な金属に思えるが、地殻では最も存在量の多い金属である。アルミニウムは地殻を構成する元素の約8%を占めており、酸素、ケイ素に次いで3番目の多く存在する元素である。ここでは、酸化アルミニウムであるコランダムを紹介しよう。聞き慣れない鉱物名であるかもしれないが、ルビーとサファイアはコランダムの一種であると紹介すれば、親近感を持ってもらえるであろう。 |