 ガリウムは青っぽい銀白色の金属です。地殻には平均で0.0015％程度存在します。ガリウムは1870年にメンデレーエフの周期表で存在が予想された元素のひとつです。1875年、フランスのボアボードランは閃亜鉛鉱(ZnS)を分析虫に、新元素ガリウムを発見しました。元素名はラテン語Gallia（フランス）に因んでいます。ガライト(CuGaS2)のようにガリウムを主成分とする鉱物も存在しますが、鉱石として利用されていません。亜鉛鉱石の不純物として、あるいはボーキサイトからアルミニウムを精製する際の副産物として、ガリウムは得られています。
ガリウムの融点（溶ける温度）は約30℃です。手に持つと体温で溶けてしまいます。ガリウムの沸点（気体になる温度）は約2400℃です。ガリウムは液体として存在する温度範囲が最も広い元素で、高温用温度計に利用されています。また、ヒ素との化合物であるガリウムヒ素(GaAs)には優れた特性が色々あり、現代社会にとって不可欠な化合物です。発光特性を活かして、電光掲示板などの発光ダイオード、ＣＤプレイヤーなどのレーザー光線源に、マイクロ波特性を活かして、ＢＳアンテナや携帯電話に、磁気感応性を活かして、ビデオレコーダーに使用されています。 |