亜鉛は青っぽい銀白色の金属で、地殻には平均で0.007%程度存在します。亜鉛は紀元前から利用されており、銅と亜鉛鉱石から製造された真鍮(しんちゅう)がローマ時代の貨幣に使用されていました。元素名と元素記号の起源は確定していません。一説では、ドイツ語のZinke(先が尖ったもの)からきており、溶鉱炉の中で沈殿する形状から命名されたといわれています。主な鉱石は、閃亜鉛鉱(ZnS)と菱亜鉛鉱(ZnCO3)です。
亜鉛の最大の用途はメッキで、鉄板に亜鉛をメッキしたものがトタンです。真鍮は銅と亜鉛の合金です。亜鉛華(ZnO)は亜鉛白とも呼ばれ、塗料やインクなどで使用されている他、殺菌作用があるので軟膏にも利用されています。また、亜鉛は細胞分裂において重要な働きをする元素で、不足すると味覚異常や肌荒れなどの症状が発生します。 |