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元素記号:Cu 英語名:Copper

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

29

63.546

1083.4

2567

522

 は赤褐色の柔らかい金属です。地殻には平均で約0.01%程度しか存在していませんが、鉱石として有益な鉱物が多数知られています。人類が銅を利用し始めたのは大変古く、紀元前9000年頃の北イラクの遺跡から自然銅を利用した銅のビーズが発見されています。紀元前5000年頃には、銅鉱石から銅が精錬されていました。青銅(銅とスズの合金)や、真鍮(しんちゅう:銅と亜鉛の合金)などの銅の合金が製造され始めたのは、紀元前3000年頃でした。元素名および元素記号はラテン語のcuprum(銅の意)に由来します。かつて銅が地中海のキプロス(Cyprus)島で産出したので、銅はラテン語でcuprumと呼ばれていました。ところで、銅の米英名copperには警官(例:ロボ・コップ)という意味がありますが、警察官の制服のボタンが銅製であったことが語源です。
 銅の鉱石は160種類以上にも及びます。古くは自然銅が利用されていましたが、銅の需要が伸びると、赤銅鉱(Cu2O)、黒銅鉱(CuO)、孔雀石{Cu2(CO3)(OH)2}などの酸化銅を含む鉱物が利用されました。現在では、輝銅鉱(Cu2S)や黄銅鉱(CuFeS2)などの硫化銅鉱物が主要な鉱石です。
 銅は銀に次いで電気抵抗が少ない金属であり、電線に使用されています。銅に強度を持たすために製造された合金も広く利用されています。ブロンズとも呼ばれる青銅はスズとの合金、ネジなどに使用されている真鍮(黄銅とも呼ばれる)は亜鉛との合金、\100硬貨などに採用されている白銅はニッケルとの合金(コラム参照)です。また、銅には殺菌作用があり、水虫対策用の靴下などで利用されている抗菌繊維には、細い銅線を原料とする糸(カプロン糸)が使用されています。

Cu

Cu2(CO3)(OH)2

自然銅

孔雀石

CuO

CuFeS2

黒銅鉱(黒色部)
青色部はクリソコラ

黄銅鉱
Chihuahua, Mexico

コラム「日本の硬貨」
 国内で流通している硬貨の鋳造に使用されている金属は、下の表にまとめてみました。\1硬貨を除く、全ての硬貨で銅が使用されています。

日本の硬貨
種類 合金名 成分
\1 純アルミニウム アルミニウム100%
\5 黄銅 銅60%、亜鉛40%
\10 青銅 銅95%、亜鉛4%、スズ1%
\50 白銅 銅75%、ニッケル25%
\100 白銅 銅75%、ニッケル25%
\500 白銅 銅75%、ニッケル25%

隣接元素
ーーー
ニッケル 亜鉛

  

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