銀は銀色の金属元素です。地殻には0.07
ppm (0.000007%)程度、存在します。銀が銀色に見えるのは、光の反射率がとても大きいからです。銀は金に次いで延びやすい金属で、1gあれば1800mものワイヤーを作ることができます。人類は紀元前3000年頃から銀を利用していました。元素記号Agは、ラテン語のargentum(輝く、明るいの意)に因んでいます。英語名Silverは、アングロサクソンの古代語siolfulに由来します。ドイツ語ではSilberですが、フランス語ではArgentと言います。漢字「銀」の「艮」は変わらないという意味で、「銀」とは錆びない金属を意味します。実際、銀は酸素とは反応しにくい(イオウとは反応して黒くなります)金属です。
自然銀も存在しますが、存在量は多くありません。銀は輝銀鉱(Ag2S)から生成されているほか、銅や亜鉛などを精製する際の副産物として、採取されています。純粋な銀は軟らかいので、強度が必要な場合には合金にして利用されています。銀は電気と熱を最もよく伝える金属で、コンピューター内の電気接点に使用されるなど、エレクトロニクス産業で重宝されています。銀には強い抗菌作用があり、銀は古くから水の腐敗防止に利用されていました。臭化銀(AgBr)は光に当たると、銀に分解されます。この反応を利用したのが写真です。フイルムには臭化銀が塗られており、現像液に溶け出す臭化銀と、溶けない銀によって、濃淡が発生し、ネガフィルムが出来上がります。 |