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ニッケル

元素記号:Ni 英語名:Nickel

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

28

58.69

1453

2732

4.93x104

 ニッケルは硬くて銀白色の延性に富む金属です。地殻には約0.007%程度しか存在しませんが、隕鉄に4%以上(平均で8%程度)のニッケルが含まれていることから、コアには大量のニッケルが存在すると考えられています。有史以前から、鉄ニッケル合金(隕鉄から採取)が武器として利用されていました。また、コバルトと同様に、古くからガラスを着色する(ニッケルは緑色、コバルトは青色)のに使用されていました。
 元素名はドイツ語のkupfernickel(クッフェルニッケル、銅の悪魔の意)に由来しています。銅を含んでいないと知らずに、紅砒ニッケル鉱(NiAs)(銅の鉱石に似ている)を精錬し、銅が得られないのは悪魔の仕業と考え、紅砒ニッケル鉱は「悪魔の銅」と呼ばれていました。悪魔の正体が判明したのは、1751年。スウェーデンのクローンステットは「悪魔の銅」から新元素を発見し、クッフェルニッケルを短縮して、ニッケルと名付けました。
 ニッケルの主な鉱石として紅砒ニッケル鉱の他に、ペントランド鉱{(Fe,Ni)9S8}や、珪ニッケル鉱{(Ni,Mg)6Si4O10(OH)8}などが採掘されています。ニッケルの多くは様々な有用な合金に使用されています。ステンレス鋼(18-8ステンレス)には、ニッケル8%とクロム18%が混ざっています。\100硬貨などに使用されている白銅は、ニッケル25%、銅75%の合金です。食器や楽器などに利用されている洋銀は、ニッケル(10-20)%、銅(40-70)%、亜鉛(20-30)%の合金です。ニクロム線は、ニッケル(60-80)%、クロム(10-20)%、マンガン(1-2)%の合金です。さらに、チタンとの合金、Ti-Ni合金は形状記憶合金です。その他の身近な利用例として、繰り返し充電が可能なニッカド電池があげられます。ニッケルを陽極に、カドミウムを陰極に使った電池です。

隣接元素
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コバルト ニッケル
パラジウム

  

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