ゲルマニウムは銀白色の半金属です。地殻には平均で1.5ppm(0.00015%)程度しか存在しません。1871年にメンデレーエフが存在を予言していた元素(エカケイ素という仮名を与えた)です。1886年、ドイツのウィンクラーは、銀鉱石{後に、硫ゲルマン銀鉱(Ag8GeS6)と判明}を分析し、銀とイオウの他に、未知の元素が含まれていることを発見しました。元素名はラテン語のGermania(ドイツ)に因んでいます。
硫ゲルマン銀鉱やゲルマン鉱(Cu13Fe2Ge2S16)など、ゲルマニウムの鉱物は存在しますが、希な鉱物です。ゲルマニウムは、亜鉛や銅を精製する際の副産物として得られています。ゲルマニウムは半導体素子(トランジスタやダイオード)に用いられている元素です。酸化物は赤外線を吸収しないので、赤外線透過ガラスとして利用されています。高純度のゲルマニウムが、γ線(放射線の一種)の測定器に用いられています。金にゲルマニウムを12%ほど混ぜた合金は、歯科治療に使用されています。また、抗菌作用のあるゲルマニウム化合物が合成され、薬に使用されています。 |