スズ(錫)は銀白色で柔らかい金属です。地殻には2.2
ppm(0.00022%)ほど存在します。スズは人類が最も古くから利用している金属の1つです。スズと銅の合金である青銅(ブロンズ)製の器具や武器は広く使われ時代があり、「青銅器時代」と呼ばれています。旧約聖書にも、ススは7種類の金属{他の6種類は、金、銀銅、鉄、鉛、真鍮(当時は銅と亜鉛の合金であると判明していなかった)}の1つに挙げられています。元素記号はラテン語のStannumに由来し、英語名Tinはエトルリア文明の神Tiniaに因んでいます。日本では白鉛とも呼ばれていました。
スズは錫石(SnO2)から得られています。缶詰などに使用されているブリキは、鉄にスズをメッキしたものです。青銅(ブロンズ)は、銅の強度を増すためにスズを混ぜた合金(Cu:
95〜75%、Sn: 5〜25%)です。錫の含有量が多くなるほど硬くなります。スズの融点(溶ける温度)は約232℃と低く、ハンダ(Sn:
40%、Pb: 58%、Sb: 2%)に利用されています。酸化スズ(SnO2)には薄い透明な膜状にしても電気を通します。酸化スズの被膜で覆われたガラス(伝導ガラス)は、飛行機の操縦席の窓など、水滴による曇りを防ぐ必要がある窓に使用されています。 |