アンチモンは硬くて脆い銀白色の元素です。地殻には0.2ppm(0.00002%)ほど存在します。人類が古くから利用していた元素のひとつです。輝安鉱(Sb2S3)の粉末をクレオパトラがアイシャドウに使っていたと言われています。元素名はギリシャ語のanti(〜でない)とmonos(単独のもの)に由来し、単独で産出しないことを意味してます。アンチモンにはヒ素のような毒性があるので、anti
+ monacon(坊主殺し)に因むという俗説もあります。元素記号はラテン語のStibiumに基づいています。
アンチモンの主な鉱石は輝安鉱です。ケイ素に少量のアンチモンを混ぜたものが半導体として利用されています。鉛に混ぜると強度が増すので、鉛電池の電極には数%のアンチモンが含まれています。三酸化アンチモン(Sb2O3)を合成樹脂や繊維などに少量混ぜると、難燃性が向上します。テレビの本体で使用するプラスチックや耐火性のカーテンなどには三酸化アンチモンが使用されています。 |