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ヒ素

元素記号:As 英語名:Arsenic

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

33

74.9216

817

616

6.56

 ヒ素は灰色の脆い半金族で、地殻には平均で0.00018%程度存在します。古代エジプト時代から、鶏冠石(AsS)は赤い顔料として、雄黄(As2S3)は黄色の顔料として利用されていました。元素名Arsenicはギリシャ語のaesenikon(雄黄)に由来します。1250年頃、ドイツの錬金術師マグヌスによって、ヒ素は分離されたと考えられています。
 ヒ素の主要な鉱石は硫砒鉄鉱(FeAsS)で、加熱するとヒ素は蒸発し、精製することが出来ます。ヒ素には毒性があり、かつて、ネズミの駆除剤や除草剤に使用されていました。現在、ヒ素の最も重要な化合物はガリウムヒ素(GaAs)です。優れた特性が色々あり(参照:ガリウム)、発光ダイオードやレーザーなどハイテク分野で、幅広く利用されています。

As

AsS

自然砒(黒色部)(銀色は自然銀)

鶏冠石(赤色部)

コラム「ヒ素の毒」
 古来、ヒ素は殺人にも使用されている毒です。体内に入ったヒ素は呼吸関連の酵素やタンパク質と結合し、それらの機能を失わせます。これがヒ素の毒の仕組みです。意外かもしれませんが、ヒ素は薬として、利用される場合があります。歯の治療の際、歯の神経を壊死させるのに、ヒ素化合物が使用されています。犬の病気、フィライアの治療にも、ヒ素化合物が用いられています。中国では、蛇の毒の解毒剤として、雄黄(As2S3)が利用されていました。ヒ素の毒性で、蛇の毒(タンパク質の一種)が機能を失ったわけです。

隣接元素
リン
ゲルマニウム ヒ素 セレン
アンチモン

  

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