ヒ素は灰色の脆い半金族で、地殻には平均で0.00018%程度存在します。古代エジプト時代から、鶏冠石(AsS)は赤い顔料として、雄黄(As2S3)は黄色の顔料として利用されていました。元素名Arsenicはギリシャ語のaesenikon(雄黄)に由来します。1250年頃、ドイツの錬金術師マグヌスによって、ヒ素は分離されたと考えられています。
ヒ素の主要な鉱石は硫砒鉄鉱(FeAsS)で、加熱するとヒ素は蒸発し、精製することが出来ます。ヒ素には毒性があり、かつて、ネズミの駆除剤や除草剤に使用されていました。現在、ヒ素の最も重要な化合物はガリウムヒ素(GaAs)です。優れた特性が色々あり(参照:ガリウム)、発光ダイオードやレーザーなどハイテク分野で、幅広く利用されています。 |