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テルル
元素記号:Te
英語名:Tellurium
原子番号
原子量
融点(℃)
沸点(℃)
宇宙存在度
52
127.60
449.5
990.0
4.81
テルル
は銀白色の脆い元素です。地殻には0.02ppm(0.000002%)程度しか存在しません。ドイツで鉱山の監督官を務めていたミュラー男爵は、1782年に、自分が管理する鉱山で見つけた銀白色の鉱物を分析し、未知の元素が含まれていると考えるようになりました。ミュラーの研究は忘れ去られていましたが、1798年、ドイツの著名な科学者クラプロート(1798年にウランを発見)によって、新元素の存在が確認されました。クラプロートは天王星(Uranus)に因んでウランと名付けていたので、今回は地球のラテン語名Tellusに因んでテルルと命名しました。
自然テルル(天然の純粋なテルル)は希な鉱物です。テルル化金(AuTe
2
)を主成分とする鉱物(
シルバニア鉱
など)がテルルの鉱石として利用されてきましたが、現在では銅を精製する際の副産物として、テルルは得られています。テルルには光が当たると電気を伝えやすくなる性質があり、複写機のドラムや光ディスクに使用されています。ゴムにテルルを混ぜると、耐熱性と耐摩耗性が向上します。テルルの化合物Bi
2
Te
3
は
熱電素子
(コラム参照)として、電子冷却装置に利用されています。
Te
自然テルル(銀白色部)
Mina la Bombllite, Moctezuma, Sonora, Mexico
コラム「熱電素子」
フランスのペルチエは、異なる金属を接合して電流を流すと、接点に熱の発生や吸収が起きること(ペルチエ効果)を1834年に発見しました。この効果を応用して開発されたのが電子冷却器で、その材料は熱電素子(あるいはペルチエ素子)と呼ばれています。電子冷却器は冷媒物質(フロンなど)や大型装置(コンプレッサーなど)を使うことなく冷却できるため、車載用の小型温冷蔵庫やCPUの冷却などに使われています。電子冷却装置の研究は旧ソ連で進んでいました。宇宙ステーションの冷却装置に使用されていたためです。冷戦の終結による技術公開で、民間での利用が進み始めました。
隣接元素
セレン
アンチモン
テルル
ヨウ素
ポロニウム
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