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ケイ素

元素記号:Si 英語名:Silicon

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

14

28.0855

1410

2355

1.00x106

 最近では、ケイ素の英語名であるシリコン(Silicon)と言った方が親しみを持ってもらえるかもしれない。半導体製造に欠かせないシリコンとはケイ素のことである。人類がケイ素を利用し始めたのは最近のように思えるが、実際は紀元前1500年以前に始まったとされている。二酸化ケイ素を天然ソーダ(Na2CO3)と加熱してガラスの装飾品を造ったのが最初と考えられている。しかし、19世紀になるまで、ケイ素という元素が存在するという認識はなかった。ケイ素の分離に初めて成功したのは1824年である。元素名はケイ石を意味するラテン語(silicis)にちなんでいる。ケイ石とは、石英や水晶などのように二酸化ケイ素で構成された岩石の総称である。ケイ素を漢字で書くと珪素となるが、「珪」は硬い宝石を意味する字である。
 ケイ素は宇宙では7番目に多い元素である。地殻の約28%はケイ素であり、酸素に次いで2番目に多い元素である。マントルの約20%はケイ素である。

SiO2
石英

ケイ素を利用した製造物
 半導体のほかにケイ素を利用した製造物を紹介しよう。
 ガラスは炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどと二酸化ケイ素を加熱融解させてつくる。用途に応じて様々な組成のガラスが製造されている。
 水ガラス(Na2SiO3)は水酸化ナトリウムと二酸化ケイ素を反応させてつくる。接着剤や玉子の表面処理に利用されている。
 炭化ケイ素(SiC)は研磨剤に使用される。商品名のカーボランダムの方がよく知られている。
 塩素ガスとケイ素を高温で反応させると、四塩化ケイ素(SiCl4)が白い不透明な煙となって発生する。軍事用の煙幕はこれを利用している。
 透明なガラスを曇りガラスにするときには、ガラスの表面にフッ化水素(HF)をかける。ガラスを構成する二酸化ケイ素がフッ化水素と反応して、気体である四フッ化ケイ素(SiF4)が発生する。その際、ガラスの一部が失われることになる。そして、ガラスの表面は凸凹になり、ガラスは不透明になるのである。

隣接元素
炭素
アルミニウム ケイ素 リン
ゲルマニウム

  

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