古くから、人類は石炭や炭を生活に利用し、ダイヤモンドの存在を知っていた。しかし、すすとダイヤモンドを構成する元素はどちらも炭素であることが判明したのは、18世紀の終わりなってからである。炭素の英語名カーボンは、ラテン語の木炭(Carbo)にちなんで付けられた。
宇宙では、炭素は6番目に多く存在する元素で、存在量は窒素の約半分である。しかし、地球大気中には窒素が80%も含まれているのに比べて、炭素(二酸化炭素とメタン)は約0.03%しか存在しない。こうなった原因は、海水中で方解石が形成されるときに、大気から海水に溶けた二酸化炭素が方解石に取り込まれてしまったためである。地表部の炭素の大部分は方解石に存在しているのである。 |