カリウム原子には、不安定なカリウム40(陽子19個と中性子21個を持っている)が0.0117%含まれいます。カリウム40は一定のペースでカルシウム40とアルゴン40に変化します。変化するペースは約12.5億年で半分のカリウム40が変化するペースです。また、生成するカルシウム40とアルゴン40の割合は一定(8:1)です。この様なカリウム40の性質を利用して、岩石の年代を決めることができます(カリウムーアルゴン年代法)。カルシウム40は元々大量に存在しているため、変化の検出が困難であり、年代測定に利用できません。
カリウムーアルゴン年代法は、高濃度のカリウム(0.1%以上)が含まれている試料を対象に利用されています。岩石中の高カリウム濃度の鉱物(雲母、角閃石、長石など)を分離して、それらの鉱物に含まれているカリウムの濃度とアルゴンの濃度、そして、アルゴン40とアルゴン36の存在比を分析して、年代を求めることが出来ます。ただし、この年代は2つの条件が成り立っているとした場合の年代です。
1.形成された時に、岩石に含まれていたアルゴン40とアルゴン36の存在比は、大気中のアルゴンの値(296)と同じであった。
2.岩石の中で生成したアルゴン40は全て岩石中に保持されており、外部からのアルゴンの侵入はない。また、カリウムの出入りもない。
これらの条件がいつも成り立っているわけではないので、注意が必要です。 |