ルビジウムは柔らかくて銀白色の反応性の大きい金属です。融点(溶ける温度)は約39℃で、発熱した人が手で持つと溶けてしまいます。通常、ルビジウムはカリウムを含んでいる鉱物中に、カリウムの一部と入れ代わって含まれています。地殻には16番目に多く存在する元素で、平均濃度は90ppm(0.009%)ほどです。1861年、ドイツのブンゼンとキルヒホッフは、リチア雲母{K(Li,Al)3(AlSi3O10)(OH,F)2}を燃やしたときに発せられる光を、プリズムを用いて分析しました。彼等はルビーのような赤い色のスペクトル線が発見し、リチア雲母に未知の元素が含まれていることを解明しました。元素名はラテン語のrudidus(深赤色)に因んでいます。
ルビジウムの鉱石は存在しません。リチア雲母からリチウム(Li)を精製する際の副産物として、ルビジウムは得られています。ポルクス石{(Cs,Na)2Al2Si4O12・H2O}からセシウム(Cs)を精製する際の副産物として、回収されています。炭酸ルビジウム(Rb2CO3)を混ぜたガラスは、電気を通しにくく、丈夫なので、ブラウン管に利用されています。 |