原子力発電と核兵器は、ウランやプルトニウムの核分裂反応を利用したものです。核分裂の際、様々な核廃棄物が生成します。その中で、人体にとって最も危険な生成物がストロンチウム90(陽子38個と中性子52個を持つ)です。その理由を紹介しましょう。
ストロンチウムはカルシウムと真下に位置しています。両者の化学的な性質は似ており、同じ様な振る舞いをします。人体に入ったカルシウムは骨の生成に使われ、骨に蓄えられています。同様に、ストロンチウムも骨に蓄積されます。この点が、非常に問題です。ストロンチウム90も体内に入ると骨に蓄積されます。ストロンチウム90が半減するのに要する期間は29年です。体内に侵入したストロンチウム90は長期間に渡ってβ線を放出し続け、骨のガンや白血病の原因となります。 |