イットリウムは反応性に富んだ銀白色の金属です。地殻には平均で30ppm(0.003%)存在しています。ストックホルム近郊の村イッテルビーで採取された新種の鉱物{イッテライト:Y2FeBe2(SiO4)2O2}を、1794年にスウェーデンのガドリンが分析し、未知の元素(イットリウム)の酸化物(Y2O3)が発見されました。元素名は地名に由来します。現在、イッテライトはガトリン石と呼ばれています。
主なイットリウムの鉱石はモナズ石(CePO4)とゼノタイム(YPO4)です。モナズ石には約3%のイットリウムが含まれています。イットリウムのオキシ硫化物(Y2O2S)は、ブラウン管で赤色を発している蛍光体の主成分です。アルミニウムとの酸化物(Y3Al5O12)は、強力なレーザー光線{YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー}の発生源に使用されています。イットリウム・バリウム・銅酸化物セラミックスは、約-170℃で超伝導を起こすことが知られています。 |