ジルコニウムは、一見両立しそうにない3つの特性(吸着性と耐食性と浸透性)をもつ金属です。ジルコニウムの表面には大量の酸素や窒素を吸着させることができ、この性質は真空装置に利用されています。浸食されやすい金属のように思えますが、酸化膜や窒化膜が形成されたジルコニウムは耐食性が強く、ほとんどの化学物質と反応しません。耐熱性(融点:1852℃)もあるので、医療機器や電子材料に使用されています。また、ジルコニウムは最も中性子を通過させる金属です。そのため、原子炉で、ウラン燃料棒の被膜に使用されています。中性子とウランが反応することによって、ウランの核分裂は起こるので、ジルコニウムは最適な金属です。 |