元素周期表を見ると、ハフニウムとジルコニウムは同じ列(左から4列目)に並んでいます。同じ列に並ぶ元素グループは族と呼ばれ、原子の最外部の電子の状態が同じになっています。化学反応では、原子の外部の状態が重要な役割を担っているため、同じ族に属する元素の化学的な特性は類似しています。ハフニウムとジルコンの場合、原子半径と4価のイオン(両元素は4価のイオンになりやすい)の半径もほぼ等しい大きさです。(下表参照。原因は次のコラム参照。)そのため、両元素の化学的な振る舞いは極めて良く似ています。
ついでに、イオン半径が重要な理由を紹介しておきます。それは、鉱物を構成する元素は、多くの場合、イオンの状態で働くクーロン力(プラスの電荷とマイナスの電荷が引きつけ合う力)によって結びついているからです。それ故、元素のイオン半径の大きさによって、鉱物に含まれる元素の振る舞いを議論することができるからです。例えば、ジルコニウムを主成分とするジルコンには、同程度のイオン半径をもつハフニウムが高濃度で含まれていると予測することが可能です。実際、天然のジルコンには約
10,000 ppmものハフニウムが含まれています。 |