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ルテチウム

元素記号:Lu 英語名:Lutetium

原子番号

原子量

融点(℃)

沸点(℃)

宇宙存在度

71

174.967

1663

3395

0.0367

 ルテチウムは銀色で硬い金属です。地殻には0.51ppm(0.000051%)ほど存在しています。フランスのユルバンは、1907年に、イッテルビウムと考えられていた物質から新元素を発見し、分離することに成功しました。元素名はパリの古名ルテチア(Lutetia)に因んでいます。天然に存在するランタノイドの探索は、1803年のセリウムの発見で始まり、1907年のルテチウムの発見で終了しました。100年以上の時間を要しており、希土類元素の分離が困難な作業であったことをよく示しています。
 ルテチウムの鉱石はゼノタイムです。ルテチウムは高価なため(1グラムで約¥50,000)、工業的にはほとんど使用されていません。ルテチウム176(陽子71個、中性子105個)は、357億年で半減するペースで、ハフニウム176(陽子72個、中性子104個)へと変化します。これを利用したのがルテチウム-ハフニウム法です。年代の古い火成岩、隕石、月の石などの年代測定に用いられています。

YPO4

ゼノタイム

ゼノタイム

Ibitiara, Bahia, Brazil

コラム「酸化ルテチウムを添加した窒化ケイ素セラミックス」
 高温に耐えるセラミックスは重要な工業材料です。セラミックスのひとつである窒化ケイ素セラミックス(Si3N4)は、衝撃に強く、熱膨張が小さいという優れた特性を持っています。窒化ケイ素セラミックスの構造を緻密にするために、酸化アルミニウムや酸化イットリウムなどが添加されて来ました。しかし、1000 ℃ を越えると全体が柔らかくなってしまうため、それ以上の高温下で窒化ケイ素セラミックスを使用することは出来ません。そこで、研究が進められているのが酸化ルテチウムを添加した窒化ケイ素セラミックスです。窒化ケイ素セラミックスに酸化ルテチウムを加えると、耐熱性が大きく向上し、1500℃の高温にも耐えることが実験で確かめられています。このセラミックを発電設備などで使用すると、セラミックを冷却する装置が不要となり、省エネの電力供給システムが開発できると期待されています。

隣接元素
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イッテルビウム ルテチウム ハフニウム
ローレンシウム

  

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