ツリウムは柔らかい銀色の金属です。地殻には0.48ppm(0.000048%)ほど存在しています。スウェーデンのクレーペは、1879年に、エルビウムと考えられていた物質から2つの新元素を発見しました。その1つがツリウムです。元素名の由来には複数の説があり、スカンジナビア半島の旧地名
Thule に因んでいるという説、スウェーデンの町 Thule からの命名とする説、世界の最果ての北極の地
ultimate Thule に由来するという説などが提唱されています。もう1つの新元素は、ストックホルムの旧名に因んでホルミウムと命名されています。スカンジナビア半島の旧地名からツリウムと命名したとする説が正しいように思えます。
ツリウムはゼノタイムから得られています。ツリウムの注目されている応用例は光通信で使用する光の増幅器です。ツリウムを添加した光増幅器を使用すると、エルビウムの増幅器が対応できない波長帯(Sバンド)の光を増幅することができ、光ファイバーの伝送容量が増えます。 |