磁歪(じわい)とは、磁力によって磁性体が伸び縮みする現象です。一般の磁石で使用されているフェライトは、最大で、0.004%ほど伸び縮みします。1970年以降、希土類を含んだ素材の研究が進み、大きな磁歪を持つものがいくつか発見されました。その中で最も注目されたのがテルビウム-鉄合金(TbFe2)です。最大で0.3%もの磁歪を示します。しかし、この磁歪を得るためには強力な磁力が必要です(重さが1トンもある電磁石が使用されていました)。その後、研究が進み、ジスプロシウムをテルビウム-鉄合金へ混ぜると、磁歪の大きさを保ったまま、必要な磁力を下がることが判明しました。この様にして開発されたテルビウム-ジスプロシウム-鉄合金(Tb0.3Dy0.7Fe2)は、手のひらに乗る小型電磁石でも、大きな磁歪を得ることができます。 |